カメラのレンズが見れない自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちについて分かりやすく解説!

・カメラを向けてもこちらを見ないな…。
・どうして写真を撮る時にレンズを見ないんだろう?

子どもたちの様子から、このように考えている方はおられませんか?

筆者自身、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちと日々関わっていますが、この様子は顕著に見られます。

本テーマに関して、実際に自閉スペクトラム症(ASD)の当事者の方々にインタビューを行った所、次の2つの理由が明らかになったんです!

どこを見ればよいか分からないから
怖さがあるから

ここから自閉スペクトラム症(ASD)の当事者である3名の方のリアルな声を紹介し、その上で解説をします!

ぜひ最後までご覧いただき、子どもたちの感覚を理解しましょう!

※この記事はここから約7分で読むことができます。

目次

【理由①】どこを見ればよいか分からないから

ここでは、自閉スペクトラム症の子がカメラのレンズを見ることができない2つのパターンの内、『どこを見ればよいか分からないから』に関する3名の当事者の方々のお言葉を紹介します。

20代 女性 Aさん
カメラのレンズはどこを見ればよいのか分かりません。
うまく言えないんですが…レンズの上か下か、もしくは真ん中部分を見ればいいのか分かりづらいです。

20代 女性 Bさん
何故か分かりませんが、1点集中して見れない感覚があります。
「レンズを何秒か見ていてください」というのは難しいです。

東田直樹さん(重度自閉スペクトラム症当事者・作家)
写真を撮られるときに「カメラを見て」と言われますが、僕はカメラのどこを見れば良いか分かりませんでした。
カメラの真ん中のレンズの部分を見ればいいことがわかっても、今度はそれを見続ける事が大変です。
その上「笑って」とか「ピースして」などと注文を付けられてしまうので、シャッターを切るまでの時間が、とても長く感じられます。
指示されたところを見続けながら何かをすることはとても難しいです。
参考:自閉症の僕が跳びはねる理由 角川文庫

3名の当事者の方のお言葉から、『どこを見ればよいか分からないから』という理由がよく分かるかと思います。

カメラのレンズは1つしか分かりませんが、レンズには一定の面積があるため、レンズに視点を合わせようとすると視線が必ず泳いでしまいます

眼科で覗き見る小さな気球のように、小さくてほぼ点として扱えるものであれば可能かもしれませんが、カメラのレンズを点として見続けることは難しいかもしれません。

共感できる方も一定数おられるのではないでしょうか。

【理由②】怖さがあるから

ここでは、自閉スペクトラム症の子がカメラのレンズを見ることができない2つのパターンの内、『怖さがあるから』に関する2名の当事者の方々のお言葉を紹介します。

20代 女性 Cさん
何となくカメラレンズが目のように思えてじっと見つめられているような感じで怖いなあ、苦手だなあって気持ちです。
満員の電車で意図せずカメラがこちらを向いていても撮られているのではとか、嫌だなあって気持ちになります。
スマホのカメラでも嫌な気持ちになります。
笑顔が上手いこと作れなくてどこを見ていいのか、レンズを覗くと表情も固まっちゃいます。

30代 女性 Dさん
カメラのレンズはなかなか見れないです。
もともと人の目を見るのが苦手で、カメラのレンズも人の目と同じような感じに思えてしまいます。
レンズがそこにあるのは分かるんですけど、どうしても撮ってる人と目が合っている気がしてしまって、中々見ることができません。

2名の当事者の方のお言葉から、『怖さがあるから』という理由がよく分かるかと思います。

特に「レンズが目のように見える」という意見には共感できる方も少なくないでしょう。

子どもたちに対する支援方法

ここまで紹介した当事者の方々のお話を踏まえると…

1点に集中できるような目印を付ける

ということが効果的であると考えられます。

レンズ近くに1点集中できる目印(シール等)を付け、そこに集中してもらうことでどこを見ればよいか分からない」「怖さがあるというレンズが見れない原因をどちらもカバーできそうです!

ぜひ試してみてください!

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