「自閉症」と「自閉スペクトラム症」の2つは混合している方が多いと思います。
また、その他にも
高機能自閉症、アスペルガー症候群、ASD、広汎性発達障害
など、関連していて混合しそうな言葉がいくつかあります。
今回は、「自閉症」と「自閉スペクトラム症」の違いを解説しますが、その中で関連する言葉も全て図ですっきり説明します。
先に結論からお伝えすると…
「自閉症」は過去の部分的な診断
「自閉スペクトラム症」は現在の総合的な診断
こういった違いがあります。
もっと詳しく、解説しますのでぜひ最後までご覧ください。
※この記事は約5分で読み切ることができます。

自閉症とは?
「自閉症」は過去の部分的な診断であるとお伝えしました。
2013年までは、「広汎性発達障害」という名称で括られ、障害の程度に応じて下の3つのように診断が分けられていたんです。

画像の通り、「知的な遅れ」「言語発達の遅れ」「こだわり」の3つを中心として、診断が分けられていました。
「自閉症」はその中でも3つの全てに当てはまるものとして位置付けられていたんです。
この区分が過去、続いていたため、「自閉症」という言葉がよく用いられていました。
しかし、この3つの区分には明確な境界線がありません。
知的な遅れは、主に「IQ」で測られますが、ご存じの通り連続的な数値で結果が出ます。
知的障害(軽度)の定義はおおむねIQ51~70と定められています。
しかし、IQ70の子とIQ71の子に大きな差があるかと言われれば、ほとんど差はありません。
言語発達、こだわりに関しても明確な違いを見出し、判断をすることは難しいんです。
このような「連続性」を考慮し、2013年に新しく生まれた診断が「自閉スペクトラム症」なんです。
自閉スペクトラム症とは?
自閉スペクトラム症とは、「連続性」を考慮して2013年から生まれた新しい定義です。
下の図のように、先ほど表で示した2013年以前までの3つの診断をまとめて「自閉スペクトラム症」という診断名になったのです。

つまり、現在用いられている診断名は基本的に『自閉スペクトラム症』です。
その中で、知的な遅れがどう見られるか、言語発達の遅れがどうか…という程度において支援方法や方針が考えられていくようなイメージです。
おわりに
ここまでの説明で、最初に記した結論
「自閉症」は過去の部分的な診断
「自閉スペクトラム症」は現在の総合的な診断
の意味が明確になったと思います。
今回の内容、参考にしていただけますと幸いです。

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